自動車の停止距離は空走距離と制動距離の合計になります。空走距離とは危険を感じて、ブレーキをかけるまでの時間に走行した距離のことです。そのためドライバーの体調や心理状態などによって長くなったり、短くなったりします。視覚や聴覚などで危険を察知してから筋肉に危険を回避する命令を与え、ブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったりします。しかし、脳から筋肉まで命令を伝える時間というのはとても短く、ほぼ一定です。問題は命令を出すまでの時間が重要ということになります。例えば考え事をしてぼんやりしていたり、眠気が襲ってきている状態であると察知しても体が動き出すまでに時間がかかります。ハンドルを握ったら運転に集中することは基本ですが、それは自分や同乗者の命にかかることでもあります。
一方制動距離とはブレーキを踏んでから自動車が止まるまでの距離のことです。路面状況や速度によって変わります。当然ですが、雨や雪などで滑りやすかったり、速度を出しすぎていれば制動距離は長くなります。運転前の路面状況の確認や天候の変化にも注意しながら速度を見ながら運転すべきでしょう。またタイヤの摩耗状態によっても制動距離は変わります。定期的な点検を怠らずにタイヤの交換のタイミングも見極めて、不安がある場合は早めの交換がお勧めです。
ABSやオートブレーキシステムの開発なども手伝って空走距離も制動距離も短くなることが期待されています。そしてその効果も実証されていますがそれでも決して万能ではなく事故がゼロにはなりません。ドライバーの意識がこれらの距離を長くする最大の要因であることには変わりありません。

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